
「自分が亡くなった後、誰がお墓の面倒を見てくれるのだろう」「お墓や法事の負担を子供達に残さないようにできないだろうか」と、供養の将来に不安を抱くことはありませんか?このような不安を解決できるのが「永代供養」です。
東京都内に住む約1400万人の人々の中には、様々な価値観があります。その価値観の多様化は供養の在り方にも及んでおり、それらに対応するべく、幅広いタイプの永代供養付のお墓が誕生しています。この記事では、永代供養はどのようなものであるかに加え、東京都内での永代供養ができる場所を、埋葬方法別にご紹介いたします。
1.永代供養とは何か
そもそも、供養とは何か?

供養とは、「供給資養」という言葉を略したものだと言われています。「供給」は、物をお供えすること、「資養」は己の心を養うことを意味します。
仏教でいうところの供養とは、もともとは仏様を対象にに金銭や物品を供えたり、読経をするといったものでしたが、その一方で、仏壇やお墓にお参りしたり、年忌法要を執り行うといった、故人に対して行われる供養も存在しています。また、「針供養」「人形供養」など、役目を終えたものに対して行う供養も多くみられます。
とはいえ、現代日本において、多くの人にとって最も身近で実際に関わりがあるのは「先祖供養」を含む人に対する供養です。
永代供養の意味…永代供養ってどういうこと?
永代供養とは、経営主体が存続する限り、墓守に代わり埋葬されている人を供養することを言います。ここでいう「永代」とは「永遠」ではなく、供養を担う経営主体が存続する限り、という意味です。また、永代供養の対象は故人、特に運営する墓地にあるお墓に埋葬されている故人です。
永代供養として具体的に行われることは、経営主体(主に寺院)による定期的な法要の開催です。墓守をする人がいれば、お盆やお彼岸に菩提寺の僧侶が読経をしたり、年忌法要を行ったりしますが、永代供養の場合はそれぞれの故人のために法要を執り行うのではなく、経営している墓地・霊園・永代供養墓・納骨堂に納められている人のために行われることが一般的です。頻度は経営主体の寺院により異なり、毎月の法要に加え、春と夏の彼岸、お盆、年始等に法要を行うところもあります。
法要は、経営主体の寺院の宗派の儀式に則って行われるところが殆どです。これは、利用者の宗旨宗派を問わないとしている霊園・施設であっても同様です。宗派にこだわりがあるのであれば、自分の宗派と同じ経営主体の施設から選んだ方が良いでしょう。
2.東京都内で永代供養が求められている理由

従来のお墓は、家族がいることを前提としたもので、親が亡くなったら子供がお墓を継ぎ、守っていくものでした。しかし近年、供養に対する意識にも変化が表れ、お墓を継いで代々の先祖を供養することが当たり前ではなくなりつつあります。
その背景には、以下のようなことが挙げられます。
おひとり様:近年、独居世帯、ことに高齢者の独居世帯が増えています。現在の生活の中でも困ったときに頼れる身内がいないということは、死後の供養についても任せられる人がいないので、死後は無縁仏になる恐れがあるのです。供養への意識が変わりつつある中でも、お墓を守る人がいないこと、無縁仏になることへの恐れは根強く残っているのです。
経済的な理由:お墓や法事で発生する経済的な負担を子供達に残したくない
子供がいる世帯であれば、永代供養は考えないかというと、そうではありません。子供がいる世帯であっても、永代供養を希望するケースが増えています。
それは、高度経済成長期を生きた親世代に比べ、失われた20年とまで言われる不況の時代を生きている子供世代は経済的な余裕があまりない世帯が多いという背景があります。高度成長期、そしてバブル期を生きた親世代からすると、経済が停滞している時代に生きている子供世代は経済的なゆとりが少ないと認識している人が多いようです。そこへ宗教観の変化もあいまって、親世代が子供にお墓の管理費やお寺へのお布施等の負担をかけることを躊躇するようになってきているのです。
また、子供が経済的に安定していても、親世代が「将来的に後継ぎがいなくなった時に困らないように、自分の代で永代供養付きのお墓を選んだ」というケースもあります。
このように、永代供養を選ぶ背景は一様ではありませんが、共通しているのは、供養の将来に対する不安なのです。
3.東京都内で永代供養ができる埋葬方法
東京都内で永代供養ができる埋葬方法には、以下のものがあります。
納骨堂での永代供養

▲東京都内には、アクセス便利でお参りしやすい、永代供養のついた納骨堂が多くある
最近の納骨堂は、殆どが永代供養付を謳っています。その中でも多いのが、一定期間納骨堂の一角に遺骨を納め、納骨期間が過ぎたら合祀墓へ遺骨を移すものです。納骨堂は寺院の中に設けられているところが多いので、寺院で日々行われる勤行を通じ、納骨されている人々の供養を日々行われます。
ただし、一口に納骨堂といっても、契約時に支払う金額の中に永代供養の費用が含まれているところもあれば、永代供養は別途費用がかかるところもあります。
また、納骨堂には、個人単位で納骨するタイプや、夫婦など小人数で利用するタイプに加え、赤坂一ツ木陵苑のように家族で利用できるタイプなど、納骨できる遺骨の数も幅があります。家族で利用可能なものは、年間管理費(護持会費と呼ぶところもある)が必要なところも多く、永代供養は、従来の墓地・霊園と同様に、管理費(護持会費)が一定期間滞納された後、所定の手続きを経た後に合祀されます。
骨壺のまま納めるもの、最初から遺骨を取り出し納骨するもの、粉骨して納骨するものなど、納骨の形式にもさまざまなものがあります。
東京都内にある納骨堂の主な納骨方法は以下のとおりです。
- ロッカー式
- ロッカーのように区切られた小さな箱の中に骨壺を納めるタイプの納骨堂です。専用の空間が設けられているので、他の利用者と一緒にご遺骨が納められるということがありません。一定期間は他の人とは別のところに遺骨を納めたいという人におススメできます。しかし、ロッカーと同程度のサイズの空間なので、花やお供え物を供えてお参りすることはできないところが大半です。また、納骨壇の位置が固定されているので、ご遺骨に手を合わせてお参りすることができる高さの檀に空きがない場合もあります。
- 仏壇式
- 仏壇の下に設けられた納骨室にご遺骨を納めるタイプの納骨堂です。仏壇と同様に、お花やお水、供物を供えてお参りができるところが魅力ですが、仏壇式の納骨壇を供えているお寺は東京都内ではさほど多くありません。また、価格も他のタイプの納骨堂に比べ比較的高く設定されている傾向にあります。
- 自動搬送式
- 参拝口に自動的にご遺骨が納められた厨子が運ばれてきて、ご遺骨の前でお参りができることから、東京都内にお墓を持ちたいと思う人に多く選ばれるようになってきている納骨堂です。基数が数千から1万基と大規模なものが多く、「お墓のマンション」と呼ばれることも。機械や建物のメンテナンスが必要なため、毎年管理費を納める必要があり、その額も高めに設定されています。 管理費を一定期間滞納すると、所定の手続きを経て、納められているご遺骨は合祀され、永代供養されます。合祀される場所がどこなのか、あらかじめ見ておきたいという人は、現地見学時に見せてもらうと良いでしょう。東京都港区赤坂にある「威徳寺赤坂一ツ木陵苑」のように、敷地内に合祀墓が設けられているところもあります。
東京都内の永代供養付きの納骨堂については、此方の記事でも詳しくご紹介しています。合わせてご一読ください。
東京都内で永代供養がついた納骨堂を探す前に読んでおきたい 東京都の納骨堂のすべて
東京都内での永代供養…永代供養墓

▲東京都内には、高島平霊園「合掌の碑」のように一人から申し込める永代供養墓がある
永代供養墓は、主に寺院の中や、霊園の中に設けられています。
大きな納骨室の上に、シンボルとなるモニュメントが設置されており、複数の人と共同でその納骨室に収蔵されるものが主です。
永代供養墓の収蔵方法には、以下のタイプが挙げられます。
- 合葬タイプ
- 骨壺から遺骨を取り出し、納骨室に納めます。
- 有期限タイプ
- 骨壺のまま一定期間収蔵し、期限が到来したら、骨壺から遺骨を取り出し、合祀用の納骨室へ遺骨を移します。期限は、経営主体の方針にもよりますが、13年~33年程度が一般的です。
施設によっては、契約を更新することで、骨壺のまま納骨する期間を延長することも可能です。
このタイプの永代供養墓には個人で申し込めるもののほか、身内だけで納骨室を利用でき、好きな石種・デザインの墓石を建てられるものなど、選択肢が豊富です。 - 無期限タイプ
- 同じ納骨室に遺骨を骨壺から出すことなく収蔵されます。東京都内にも、多摩聖地霊園の「桜寿」のように、このタイプの永代供養墓があります。合葬タイプや有期限タイプに比べると、価格が高くなる傾向があります。
また、完全に無期限というわけではなく、管理費を支払っている限りは決められた納骨室に遺骨を納めることができ、利用者の申し出があった場合または管理費の支払いが一定期間滞った際に、納骨室から骨壺を取り出し、合祀用の納骨室へ遺骨を移し、経営主体が永代供養を行うタイプのものもあります。
このように、永代供養墓にもいろいろなタイプがあります。詳しくは、下記の記事も参考にしてみて下さい。
納骨堂・合同墓・樹木葬…東京都内で永代供養墓を探すときに知っておきたい7つのこと
東京都内での永代供養…樹木葬

▲多摩聖地霊園には、さまざまな形式の樹木葬や自然葬があり、人気を集めている
シンボルツリーのそばに遺骨を埋葬することを、「樹木葬」と呼びます。東京都内の樹木葬は、樹木葬墓地として寺院や霊園内設けられているものが多くみられます。
埋葬方法には以下のものがあります。
- シンボルツリーのふもとに埋葬
- 区画内にシンボルとなる樹木を植え、その周辺に遺骨を埋葬します。埋葬する場合は、骨壺のまま埋葬することもあれば、遺骨を骨壺から取り出して埋葬、遺骨を粉骨して埋葬する等、樹木葬により異なります。
- シンボルツリーのそばにある納骨室に埋葬
- シンボルツリーの周辺に納骨室を設け、そこに遺骨を埋葬(正確には収蔵)します。この場合は、遺骨を骨壺に入れたまま納めることが多く、亡くなった後でも一定期間は他の人と遺骨が混ざることに抵抗がある方に向いています。
また、このタイプの樹木葬は、納骨室が区切られており、普通のお墓のように複数名の遺骨を納められたり、どこに遺骨が納められているか銘板が設置できたりと、より従来のお墓に近い形で利用することができる施設もあります。
なお、公営霊園である都立小平霊園内の樹林葬墓地・樹木葬墓地は、形は寺院や霊園内にある樹木葬墓地に似ていますが、経営主体は自治体なので、宗教的な意味での永代供養をしてくれるわけではないので、自分の宗派での永代供養を希望するのであれば、寺院墓地や経営主体が自分の宗派にあった霊園の樹木葬から選択をするのが良いでしょう。
東京都内の樹木葬については、以下の記事で詳しくご紹介しておりますので、こちらもあわせてご一読ください。
樹木葬は安い?都立霊園の樹木葬(小平霊園 樹木墓地・樹林墓地)ってどんなもの?などが分かる!東京都の樹木葬のすべて
東京都内での永代供養…寺墓地

寺墓地とは、お寺の檀家となり、お寺の活動を支える一方で境内地にお墓を設けそこでお寺に供養をしてもらうことになります。檀家となるメリットは、供養を手厚くしてもらえるところにありますが、永代供養についてはどうなのでしょうか?
筆者が調べたところ、これは「お寺による」というのが結論です。永代供養は行わないお寺がある一方で、お願いすれば別途お布施が必要ではあるものの、永代供養をしてくれるお寺もあります。
調べてみると、檀家になることで、永代供養を行うことを約束しているお寺もあります。
既に寺墓地にお墓がある人は、現在お付き合いのあるお寺に事情を説明したうえで、永代供養をしてもらえるかどうか相談してみるところから始めるのが良いでしょう。
この記事では、東京都内での永代供養についてご紹介してまいりました。人生の終わりのその先の話なので、直接確認できないからこそ、その中身について事前に調べておきたいところです。