2024年度版：東京都の樹木葬は安い？都立霊園の樹木葬（多磨霊園 ）ってどんなもの？　都内の樹木葬を知ろう！

近年、さまざまな理由で注目を集めているのが樹木葬。樹木のそばに遺骨を埋葬することから、自然に還れると人気が高まっており、東京都内でも樹木葬が増えてきています。しかし、一口に樹木葬と言っても、種類もさまざまです。また、「樹木葬は安い」というイメージがありますが、実際には樹木葬の形態や埋葬方式・納骨できる遺骨の数等により価格帯は幅広いのが実際です。この記事では、樹木葬とはどのような埋葬方法であるのかについてご説明したうえで、東京都内の樹木葬の特徴をご紹介してまいります。

1.「お墓はいらない」という人が選んでいる樹木葬とは

樹木葬とは「墓地・埋葬等に関する法律（以下「墓埋法」）」に基づいて許可を得た土地に墓標代わりの樹木を植え、その周りに遺骨を納める埋葬方法のことです。墓所に墓石を建てる従来のお墓とは異なる、新しい形の供養として、注目を集めています。
樹木葬の定義は、「樹木が墓標であること」以外にはないので、かたちも埋葬方法もさまざまです。基本的に個人単位で申し込めるところが多く、利用者の宗旨や宗派は問わず、管理団体が清掃や合同法要などを執り行うためお墓の後継ぎも不要です。寺院が経営主体の場合は、永代供養を約束している所が多く見られます。
費用面においても、樹木葬は墓石を建てる必要がないので、一般的なお墓や納骨堂等に比べて利用料が安価である傾向があります。

2.樹木葬の種類

一口に樹木葬といっても、厳密な規定があるわけではありません。 すべての樹木葬に共通しているのは、埋葬されている場所のそばに墓標やシンボルとして樹木があるということ。それゆえ、現在では「これも樹木葬なのか」と思うほどバリエーションが豊富です。ここでは、樹木葬の中でも多くみられるものをご紹介いたします。

里山型の樹木葬

山林の一角を霊園として登録し、そこに埋葬します。1999年に岩手県の祥雲寺が日本で初めて樹木葬を始めたときは、この形式のものでした。骨壺から遺骨を取り出し、地面に遺骨を埋葬することで、遺骨が時間の経過とともに土に還り、里山の一部となります。
「死後は自然に帰りたい」との理由から樹木葬を希望する人にとっては最適な選択肢といえます。一方、骨壺から遺骨を出して埋葬するため、後から遺骨を返してもらうことはできないので、子供や供養を担う身内がいる場合は、トラブルの元になる可能性もあります。

霊園型の樹木葬

造成された霊園や寺院境内の一角に樹木葬墓地として植栽を設け、その周りに埋葬します。納骨は、土に直接埋葬するものもあれば、樹木の近くに納骨室を設け、そこに埋葬するものもあります。また、遺骨を取り出して合祀（他の人の遺骨と一緒に納骨する）するものもあれば、骨壺のまま個別に納めるものもあるなど、霊園型の樹木葬の埋葬方法は多岐にわたります。
埋葬されている人の名前を刻む銘板を設置できたり、どこに埋葬されているか明確に分かるようになっている樹木葬もあり、「生きた証を残したい」「遺骨の方を向いてお墓参りをしたい」といった幅広いニーズに応えるものを選ぶことができます。
また、霊園や寺院内にある樹木葬は、公共交通機関で訪れやすかったり、駐車場が十分に用意されていたり、参道が整備されていたりと、お参りしやすいところが多いのも特徴です。

3.公営の樹木葬・民営の樹木葬について

公営の樹木葬について

公営の樹木葬：関東

関東地方には、公営の樹木葬が東京都と神奈川県横浜市にあります。

東京都：多磨霊園　樹林墓地

都立多磨霊園は、昭和10年に開園した、日本初の公園型霊園です。128万237平方メートルの敷地内には68000区画ものお墓が設けられています。この歴史ある多磨霊園に設けられた樹木葬が、樹林型合葬埋蔵施設です。
多磨霊園の樹林型合葬埋蔵施設では、樹林の下に設けられた納骨室に、納骨袋に入れた遺骨を納めます。多磨霊園も、小平霊園と同様に遺骨のまま納骨袋に入れて埋葬する方法と、遺骨をパウダー状にしたものを納骨袋に移して埋葬する方法の２通りあります。後者の方が若干費用が抑えられますが、別途粉骨業者に粉骨を依頼しなければなりません。生前の申し込みが可能です。
いずれも、申込資格が決められており、条件を満たしていないと申し込むことができません。申し込み期間が限られています（2024年は6月14日～7月5日）。

なお、小平霊園の樹木型合葬施設と多磨霊園の樹林型合葬施設の違いは、前者が個別に遺骨を埋葬するのに対し、後者は合葬するところです。

横浜市：横浜市営舞岡墓園

舞岡墓園は、横浜市舞岡町に現在造成中の公営霊園です。ここには、芝生墓地と樹木葬墓地（合葬式樹木型納骨施設・樹林型納骨施設)が計4500体分が作られる予定です。ただし、工事の遅れが出ていることから、実際に供用が開始されるのは、令和8年度からの予定です。

　

横浜市営メモリアルグリーン

横浜市営メモリアルグリーンは、横浜ドリームランドの跡地に造成された公園の一角に作られた横浜市営霊園です。合葬式樹木型納骨施設：3箇所（3,000体収容）は、日本の公営霊園で初めて設けられた樹木葬施設です。平成25年度をもって、新規の募集は終了、今後の募集については未定です。

＜公営の樹木葬：東海＞

長久手市卯塚墓園　樹木型合葬式墓所

長久手市宇塚墓園は、愛知県長久手市にある公営霊園で、樹木型合葬墓を設けています。申込者多数の場合、抽選となることもありますが、令和2年度の結果を見ると、市内在住者であれば落選することはないようです。
その一方、使用者が埋蔵に立ち会うことはできない、故人の氏名等が書かれた記名板などは設置できない、献花台には供花と線香以外には置けない等、制限があります。また、長久手市公式ウェブサイトにも明記されていますが、この樹木型合葬式墓所は永代供養付きではないので、ご注意ください。

施設名	申込体数	利用料
樹木型合葬式墓所	1体	市内在住者 15万円 市外在住者 20万円

公営の樹木葬：関西

京都市深草墓園「樹木型納骨施設」
京都市深草墓地は、京都市初の造成墓地で、豊かな自然に満ち溢れた静かな深草の丘陵地に位置しています。ここは利用者の宗旨宗派を問いません。墓地全体に高低差がなく、駐車場も併設されており、アクセスも便利です。
京都市にお住まいの方、または以前京都市にお住まいであった方であれば、納骨いただけます。永年埋蔵形式なので、お墓の後継ぎの不安がある方でも安心してご利用いただけます。

市内料金：180,000円
市外料金：360,000円

民営の樹木葬

▲多摩聖地霊園のように、埋葬方法に違いのある複数の樹木葬が設けられている霊園もあるのが、民営の樹木葬の特徴です。

寺院や財団法人を経営主体とするの樹木葬は、全国各地で開発・販売されています。
その中でも増えているのが、霊園の中に造成されるような、樹木をシンボルツリーとして植樹し、その周りに納骨室を設ける、いわゆる霊園型の樹木葬です。特に都市部にある樹木葬はこのタイプのものが大半です。東京都においては、里山型の樹木葬はあることにはありますがごくわずかで、23区内に至ってはほぼ霊園型の樹木葬です。これは、里山型の樹木葬を作れるような環境が東京都内には少ないことに加え、近年は、自宅から通いやすい、自力でお参りに行けるお墓が好まれるようになってきているので、アクセスの良い立地にお参りしやすい樹木葬が増える傾向にあるのです。

民営の樹木葬を選ぶ時のポイント

納骨できる骨壺の数

樹木葬の場合、複数のご遺骨を納骨できる樹木葬があります。その場合、専用の納骨室が用意されており、普通のお墓のようにご遺骨の前で手を合わせることができるものもあります。その一方で、複数納骨できる樹木葬の場合は、納骨するごとに納骨手数料が必要であったり、管理費が必要であることもあります。

希望する埋葬方法があるか

民営の樹木葬墓地の埋葬方法には主に、合祀（骨壺から遺骨を取り出し、一つの納骨室に納める）・集合（遺骨を骨壺に入れたまま、一つの納骨室に納める）・個別（専用の納骨室に骨壺のまま納める）の３つの納骨方法があります。
また、納骨時に立ち会えるものと、立ち会うことができないものがあります。希望に沿う納骨・埋葬が叶うかどうかを、見学時に確認しましょう。

永代供養がついているか？

樹木葬には、永代供養がついているところが多いのですが、別途費用が必要であるところもあります。また、寺院が経営主体ではなく、財団法人やNPO法人の場合、宗教的な意味で永代供養を担う人がいないので、「無縁仏になりたくない」との思いがある人は、永代供養はどのように行われるのかを確認した方が良いでしょう。

4.樹木葬の値段はどれぐらい？普通のお墓より安いって本当？東京の樹木葬の費用について

東京都の公営霊園の樹木葬にかかる費用

東京都の公営霊園である小平霊園の樹林型合葬埋葬施設および樹木型合葬埋葬施設の利用料は以下の通りです。

樹林型合葬埋葬施設のうち粉骨が必要な施設の場合は、上記の費用に加え、遺骨をパウダー状にする粉骨費用が別途かかります。粉骨の費用は、業者や遺骨の状態によっても異なりますが、おおむね1万円～数万円といったところです。

東京都の民営の樹木葬にかかる費用

東京都内の樹木葬にかかる費用は、多岐にわたります。

樹木葬は、里山型より霊園型の方が費用が高くなるといわれていますが、「東京都の樹木葬」となると、実はそうとも限りません。

東京都内の樹木葬にかかる費用としては、以下のものが挙げられます。樹木葬を費用を選択の基準としている人は、希望している施設で下記のものが別途かかるかどうかを確認した方が良いでしょう。

東京の樹木葬価格以外に含まれるものの例

• 樹木葬自体の価格
• 管理費
• 墓誌・銘板
• 納骨手数料
• 護持会費
• 収骨容器
• 粉骨費用

ここからは、東京都内にある樹木葬と、その価格帯をご紹介いたします。ご希望の地域の樹木葬はどれぐらいの費用が掛かるのか、確認してみてください。

東京都内の樹木葬一覧

東京都港区の樹木葬

東京都新宿区の樹木葬

東京都文京区の樹木葬

東京都台東区の樹木葬

東京都品川区の樹木葬

東京都目黒区の樹木葬

東京都大田区の樹木葬

東京都世田谷区の樹木葬

東京都中野区の樹木葬

東京都杉並区の樹木葬

東京都豊島区の樹木葬

東京都北区の樹木葬

東京都荒川区の樹木葬

東京都板橋区の樹木葬

東京都練馬区の樹木葬

東京都葛飾区の樹木葬

東京都江戸川区の樹木葬

東京都八王子市の樹木葬

東京都立川市の樹木葬

東京都町田市の樹木葬

東京都日野市の樹木葬

東京都東村山市の樹木葬

東京都稲城市の樹木葬

東京都あきる野市の樹木葬

東京都西多摩郡の樹木葬

この記事では、東京都内の樹木葬についてご紹介いたしました。ご覧いただいた通り、東京都内には、都心から郊外までたくさんの樹木葬が存在しています。この中から希望にあった一か所を選ぶのは簡単なことではありません。しっかりと比較検討したうえで、後悔のない選択をするうえで、この記事をお役立ていただけたら嬉しいです。