家族葬の誤解を解く、3つのQ&A
最近、家族葬のセミナーを開催するとどこも盛況、葬儀相談にも「家族葬にしたい」との要望が多く寄せられるようになってきました。
しかし、よく話を聞いてみると、お客様が考える「家族葬」は人によってずいぶん違うのです。つまり、明確な定義があるようでないのが、「家族葬」。 そこで今回は、家族葬ってどんな葬儀のことを言うのか、Q&A形式でご紹介していきます。
家族葬は、参列者が少ない?
家族葬は、その言葉が示すように「家族だけが参列する葬儀」と考えている方が多くいらっしゃいます。それは間違いではないのですが、家族しか参列できない葬儀というわけではなく、故人様にとって近い関係の人に参列してもらう葬儀、の方が実態には合っています。実際、家族のみが参列する家族葬もありますが、多くは家族をはじめ親族や親しい付き合いのあった友人が参列することもあります。
以前、ジャニー喜多川氏の家族葬に約150人が参列した、というニュースがありましたね。これは、参列した人が全てジャニー喜多川氏の家族ではないでしょうが、故人にとって「家族同然の関係の人」が集ったという意味で、家族葬としたのだと思います。
家族葬は、儀式がない?
家族葬というと、家族だけで執り行う葬儀のように思われますが、儀式がなく火葬のみ行うのは「直葬」と呼ばれます。家族葬の場合には、儀式は執り行われることが前提です。ただし家族葬の場合、通夜と葬儀・告別式どちらも参列者が家族だけだと「両方とも参列する人は同じだし、高齢者が多くて体力的に辛い」という理由から、通夜は故人との最後の時間をゆっくりと過ごして、葬儀・告別式のみ儀式を執り行うことを選ぶ、という方も多くなってきました。
家族葬=安い葬儀?
家族葬を全面に打ち出した葬儀のチラシやネット広告の影響なのでしょうか、家族葬=安いというイメージを持っている方は少なくありません。
確かに、葬儀費用は、通夜振る舞いや返礼品など、参列者数に比例して増える部分もあるので、参列者が少ない傾向にある家族葬では、葬儀費用の総額だけでみたら低価格におさえられているように見えるかもしれません。しかし、近所の人や身内の関係者なども参列する大きめの葬儀(一般葬)では香典も増えます。よって、葬家の持ち出し金額でみると、一般葬の方が葬家の負担が軽くなる可能性もあるのです。
また、家族葬で気の置けない者同士だからこそ、故人の好きだったもの・コトを反映した葬儀にした結果費用が高くなった、ということもあるのです。
このように、明確に定義されているようで、そうでもないのが「家族葬」です。「一般葬」「家族葬」という言葉にとらわれず、誰に見送ってほしいのか、参列者に葬儀の時間をどのように過ごしてほしいのかなど、具体的に考えていくことが、後悔のない良い葬儀をつくる第一歩です。