【2024年度版】初七日法要・四十九日法要・年忌法要の準備の流れ・お布施・服装まで。施主として法事・法要について知っておきたいこと
法事は、葬儀よりも参加した回数は多くても、その意味が今一つ分からない、というものではないでしょうか。 今回は、名前は知っているけれど、分からないことも多い「法事」を執り行う立場になったときに知っておきたいことをご紹介いたします。
1.法事・法要とは何か:故人様を弔う法事・法要について知る
法事とは、葬儀が終わった後に僧侶をお呼びして執り行う仏教の儀式のことです。一般的には、儀式を「法要」、その後のお齋(食事)を含めた行事を「法事」と呼びます。
仏教における法要は、初七日法要から始まり、四十九日まで七日ごとに執り行われる法要、月命日の法要、百箇日法要、そして年忌法要と続いていきますが、最近では初七日法要を火葬後に行ったら、四十九日法要を執り行い、百箇日法要は省略し、年忌法要を行うことが多くなっています。
法事・法要とは故人様の供養として執り行われるものであるとともに、遺族が仏教に触れ、親族と交流する中で、死を受け入れ、心の整理をつけていくプロセスでもあります。
2.法事・法要とは何か:初七日法要・四十九日法要とは
葬儀後、はじめて執り行う法事がこの初七日法要です。故人は亡くなってから7日目に三途の川に到着し、激流・急流・緩流とあるなかで、どの流れを渡るか裁かれると言われています。初七日法要では故人がこの中で緩流を渡れるよう祈ります。
最近では、葬儀当日に、火葬後に初七日法要を執り行うことが多くなってきています。これは、親族が短期間に何度も法事のために集まるのが負担だから、という理由が大きいのですが、首都圏の火葬炉の予約が取りづらい地域では、亡くなってから4~5日待たなければ火葬ができないので、葬儀と同じ日に初七日法要を行うのは、結果的に仏教のきまりに従っているといえます。
一方、四十九日法要は、その名の通り、逝去後49日ほど経過した頃に執り行う法要です。仏教では逝去から49日経った日をもって故人が成仏するとされていることから、最も重要な法要と位置付けられています。遺族にとっても、この日で忌明けとなることから、一つの大きな区切りとなります。
この日は、遺族だけではなく親族や友人も列席し、読経の後、皆で焼香をし、法要後は食事を共にします。 なお、四十九日法要の日にお墓への納骨を希望してお墓を購入しようとする人が少なからずいますが、必ず四十九日で納骨をしなければならないわけではありません。
3.法事・法要とは何か:詳しく知りたい年忌法要
一年後の命日に執り行うのが、一周忌です。その後は、三と七のつく回忌に法要を行います。 法事回忌の法要を行う年は一周忌のみ亡くなった年の翌年に執り行い(年は満で数える)、三回忌以降は、数えで回数をを数えます(つまり、三回忌は、逝去から2年後の命日に行うということです)。
三回忌までは、参列者も家族や親族だけではなく親しい友人や知人までお招きしますが、 七回忌あたりから、親族までの参列にするなどして、規模を縮小していくのが一般的です。
4.法事・法要とは何か:年忌法要の終わり・弔い上げとは
三と七のつく回忌に法要を行う、と上にありますが、宗派の開祖でもないかぎり、年忌法要には区切りがあります。その最後の年忌法要のことを「弔い上げ」といいます。 弔い上げをもって、その故人様のための法要は終了となります。
弔い上げとする年忌は、宗派によっても異なりますが、仏教では亡くなって32年経つと、全ての人の生きている間に行った罪が無罪放免となり、極楽浄土に行けると言われていることから、三十三回忌にて弔い上げとすることが多かったのですが、近年は供養の簡素化や、祭祀の主催者の高齢化等により法要を執り行えなくなる等の理由で、三十三回忌より前に弔い上げをすることを選ぶ人もいます。
弔い上げの法要は近親者だけで執り行うことが多いのですが、地域差があるので、菩提寺や親戚に確認をしたほうがよいでしょう。
5.日程・お寺・会食・案内状・お布施…法事・法要準備の流れ
時期 | やること |
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2ヶ月前 |
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1ヶ月前 |
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前日 |
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法要当日 |
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6.喪服はいつまで着用する?法事における施主・遺族の服装
三回忌までは、親族以外にも故人様の友人等が参列することもある儀式という面がありますが、七回忌以降は親族のみで執り行う小規模な儀式になります。また、徐々に日常に戻っていくという点においても、服装は変わっていきます。
それぞれの法要にふさわしい服装をまとめてみました。
- 初七日法要
- 最近では葬儀と同じ日に執り行うことが多いので、男女とも正喪服で参列。
- 四十九日法要~三回忌
- 施主や遺族は、参列者よりも格の高い服装であることが求められます。そのため、男性・女性ともに正喪服が望ましいです。
男性の正喪服は、洋装であればモーニングコートに黒のネクタイとベスト、黒の分量の多いコールパンツを選びます。
和装であれば黒の紋付羽織袴です。羽織は五つ紋の羽二重を着用します。袴や羽織の紐の結び方が慶事とは異なるので、和装の着付けに詳しい人に教えてもらうほうが無難でしょう。
女性は、和装の場合は黒の無地の着物を着用します。帯・帯揚げ・帯締めも黒を選びます。襦袢、半襟、足袋は白、黒の布製の草履を着用します。
洋装の場合は、「ブラックフォーマル」と呼ばれる、艶のない黒いワンピース、アンサンブル、スーツを着用します。装飾が少なく、襟ぐりが小さめのものが望ましいです。スカート丈もひざ下からくるぶし丈までの、肌の露出を最小限にし、ストッキングも黒を選びます。
スーツの際に着用するシャツも、女性は黒を選びます。 - 七回忌以降の年忌法要の服装
- 男性の七回忌以降の年忌法要の服装は、身内だけで行うことが大半であることから、略喪服を着用することが多いです。
男性の場合の略喪服とは、紺やダークブラウンなどの暗めの色合いのスーツです。
女性の場合は、地味な織生地またはチェック、ストライプなどのスーツやワンピースを着用します。
僧侶をお招きして読経をお願いするのであれば、失礼のない装いをするようにしましょう。
定期的に行われる家の行事、としてとらえている人も少なくないであろう法事ですが、実はこのような意味があるのです。次、法事に参加するときには、ここに書かれている意味を思い出してもらえたら幸いです。