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費用や業者選びまで。仏壇・仏具・位牌のより良い処分方法を専門家に聞きました!

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今ある古い仏壇や仏具を処分することが「仏壇じまい」としてテレビや新聞、雑誌等で紹介されるようになってきています。

家族が先祖供養の場として代々大切にしてきた仏壇は、不要になったからといってゴミとしてただ捨てることはできない、と思う方は多いのではないでしょうか。そこで、今回はラステル新横浜仏壇ギャラリーが「仏壇のお焚きあげサービス」で提携している、曹洞宗聚林山興福寺の雨宮住職と山田氏に、仏壇・仏具・位牌等の処分の方法について伺いました。

 

話を伺った人   

興福寺 雨宮範雄住職
         伝導部統括主査(お焚きあげサービス担当) 山田誠氏

 

 

 

 

不要な仏壇・仏具・位牌の処分の方法は?

―貴院で仏壇のお焚きあげ供養を始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
山田氏「以前からお付き合いのあった業者様より、安心して任せられる仏壇供養サービスを必要しているとのお話を伺い、興福寺では2年ほど前から仏壇のお焚きあげサービスを始めました。すでに1000件ほど依頼をいただいています。」
―仏壇は、どのように処分をしたらよいのでしょう?
雨宮住職「仏壇は、区分でいうと粗大ごみまたは燃えるごみに当たります。粗大ごみの場合、居住地で処理しなければならず、県外へ持ち出すことはできません。
よって興福寺では仏壇をゴミとしてではなく、宗教物としていったん預かりして、本院山内にて仏壇・仏具・ご本尊等にお経をあげてから、責任を持って処分しております。そのため、東京都外の地域の仏壇も受け入れることができます。」

 

 本堂の前で処分を待つ仏壇・仏具・位牌等に読経をする八王子・興福寺の雨宮住職
▲興福寺山内にて仏壇・仏具に読経する雨宮住職。

 

 

仏壇を処分する理由とは?

―仏壇の処分を依頼される方は、どのような理由で古い仏壇を処分するのでしょうか。
山田氏「『今までの仏壇は大きくて、引っ越した先には置けないため小さい仏壇に買い替えたので、古い仏壇を処分したい』といった理由で頼まれることが多いですね。 また、親族が亡くなってそのままにしていた空き家を処分するにあたり、家の中にある仏壇の処分を依頼されることもあります。つい最近まで、住んでいた人が亡くなった家は、空き家のまま長期間放置されていましたよね。家は住む人がいないとすぐに傷んでしまいますが、仏壇も同じで、空き家に置いてあった仏壇は状態が悪いものが多いです。」
―それでは、大きな仏壇の処分依頼が多いのでしょうか。
雨宮住職「そうとも限りません。小型の仏壇の処分の依頼も増えています。一人暮らしで身寄りのない方の遺品整理の一環として依頼されることもありますし、終活として仏壇を片付けたいとの要望もあります。単身者、特に大病をした方の依頼が多いです。元気なときは考えなくても、大病をして自分の残りの人生について考えるようになって、仏壇を片付けるのでしょう。また、子供にお墓や仏壇の負担をかけたくないからお墓は永代供養墓にして、仏壇は処分、自分の位牌も作らなくて良いという方も多くなってきていますね。
位牌の場合は単に不要になったというよりも、ご先祖様一人ひとりの位牌を繰り出し位牌にしたり、ご夫婦の位牌を夫婦位牌として一つにしたことで、古い位牌を処分する、ということもあります。」 

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▲取材に応えていただいた山田氏に、仏壇回収用の車両の内部を見せていただいた。

 

 

仏壇処分の依頼先・業者はどう選ぶ?費用はどれぐらい?

―仏壇は家庭ごみの小型ごみなので、自治体のごみ回収に出すこともできれば、廃品回収業者に依頼して持っていてもらうことも可能ということですが、安心して仏壇の処分を依頼できる業者を選ぶにはどのようにしたら良いのでしょうか。
山田氏「確かに、仏壇はゴミとして自治体の粗大ごみ回収に出したり、不要品回収業者に依頼して持って行ってもらうこともできます。特に後者はインターネットで調べると安い料金を出しているところが沢山出てきます。でも、相場に比べて料金が安すぎる業者は、廃棄物処理運搬業者の資格を持っていなかったり、集めたものの行き先が不明だったりすることもあり、安心かつ確実に処分できるかは分かりません。何よりタンスやベッドのような家具と同じように処分することは気持ちの面で憚られるものではないでしょうか。 当院では、仏壇を回収しにお伺いするときには、仏壇・仏具の回収とは分からないような特別な車両を使用しています。また、お預かりした仏壇・仏具等はすべて読経をし、その後素材別に全て分別し、それぞれ適切な処分を行っております。ご希望の方には、お焚きあげ供養証明書も発行しています。」
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▲仏壇のお預かり時に使用している車両。外からは仏壇・仏具が見えないタイプの車両を使用している。

―仏壇の処分にかかる費用は、どれぐらいですか?
山田氏「仏壇の大きさや、一緒に供養を依頼するものの量によっても異なりますが、おおよそ運搬費と処分費を合わせて数万円~十数万円かかります」。

 ※以下は、当サイトにて複数の仏壇処分サービス業者の料金を調べたものです。目安として参考にしてみてください。

サイズ 料金の目安
小型(幅・奥行・高さが合計200cm以下のもの) 1万円~3万円
中型(幅・奥行・高さが合計240cm以下のもの) 1万4千円~4万円
大型(幅・奥行・高さが合計280cm以下のもの) 1万8000円~5万円
特大(幅・奥行・高さが合計281cm以上のもの) 2万4000円~7万円
★このほか、本尊・位牌・仏具その他処分品として預けたものの量により、追加料金がかかります。

 ※仏壇引き取り時には、別途出張費が必要(2万円程度)

 

 

仏壇を処分する前に必ずやらなければならない2つのこと―魂抜きと中身の整理

―仏壇を処分するにあたり、依頼者にやっておいてほしいことはありますか?

雨宮住職「お願いしたいことは、2つあります。 ひとつは閉眼法要です。
仏壇は、内陣に安置されている本尊(仏像や、仏様が描かれている掛け軸)に魂を入れることで手を合わせる対象となります。仏壇を処分するときには、その本尊や処分する位牌から魂を抜かなければなりません。
魂抜きをするためには、魂抜きの儀式である閉眼供養を執り行わなければなりません。 閉眼供養は、菩提寺にお願いしてください。用意するものや、お布施等については、閉眼供養をお願いするときに合わせて菩提寺に相談すると良いでしょう。
もし、菩提寺がない場合は、お付き合いのある仏壇店や葬儀社に相談すれば、自分の宗派のお坊さんを紹介してもらえます。また、当院でも、ご依頼があれば内容に応じて役僧の派遣供養をさせて頂いておりますので、一度ご相談下さればと思います。
私共では、魂抜きがされていることを前提に仏壇をお預かりしています。先ほど、お預かりした仏壇や仏具に読経をしてから処分していると申しましたが、この読経は魂抜きの意味も有りますが、仏壇や仏具、位牌等への感謝を伝えるためのものです。魂は仏壇ではなく本尊に宿っているので、仏壇を処分する際には、忘れずに閉眼供養を行ってください。」

―もう一つのやっておくべきこととは何でしょうか?

山田氏「お預かりした仏壇の中を確認すると、いろいろなものが入っています。仏具や位牌、過去帳をはじめ、遺影やアルバム、時計、神棚、人形、故人様のものと思われる頭髪、珍しいものだと動物のはく製が入っていたこともありました。はく製も動物のご遺体なので供養して欲しいという思いがあってのことかもしれませんが、これは驚きましたね。
提携先の処分業者様に聞いた話ですが、家屋解体業者から直接受け入れたお仏壇の中に、ご遺骨が入っていたことがあったそうです。それ以来そちらの業者様では、産廃業者からのお仏壇等の受け入れは一切行わなくなったそうです。ただし本院に関しては、寺院ということもあり、特別に受け入れをしていただいています。やはり一般の業者様には運送業の方も然りですが、なかなかやりたがらないのが実際のところだと思います。
ですので、仏壇を出す前には、念のため仏壇の中に入っているものをきちんと確認して、手元に残しておきたいものや貴重品が入っていないか確認していただければと思いますね。」

 

今回は、仏壇の処分方法や移動方法についてご紹介して参りました。
長年守ってきた仏壇を処分するとなると、申し訳ないと思うこともあるかもしれません。

しかし、きちんと閉眼供養を執り行い、丁寧かつ確実に処分してもらえるところに託せば、心配する必要はないことがお分かりいただけたかと思います。
大切にしてきた仏壇だからこそ、手放すときにも感謝の気持ちを忘れずにいたいものですね。

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